ヘアカットの歴史
ヘアカットは古代エジプト時代から行われており、当時は理容師(外科医も兼ねる)が施術していたと歴史に記されている。*床屋の看板(赤青白斜め螺旋状のサインポール)は赤が動脈、青が静脈で白が包帯を表しているのが名残であるらしい。日本では髪結いの文化(日本髪とちょんまげ)があり、ヘアカットが解禁(好きな髪型が誰でも自由にできる!)されたのは明治以降で、日本でのヘアカットが理美容業として一般化したのは戦後に入ってからと歴史は浅いです。
近代ヘアカット
今までの理美容界の歴史は理美容師の感性に頼るレザーカットが主流でしたが、60年代にイギリスのヴィダルサスーンがハサミを用いた革新技術ブラントカット(幾何学的に理論化したぶつ切りカットで髪型を作る)が世界中に広まり近代カット技術の基本となりました。70年サスーンカットの日本人一番弟子、萩原宗氏が日本での普及に尽力します。その結果80年代に日本でヘアカットの一大旋風が起こります。
サスーンカットに刺激された欧米の優秀な美容師(ジャック・デサンジュ、トニー&ガイ、モッズヘアーなど)が次々と革新的ヘアスタイルを発表して、ヘアカットをトータルファションへの高みに押し上げました。
ウェットカット
ウェットカット(ブラントカット)とは、シャンプー後など髪が湿った状態で行うカット技術でです。髪が柔軟になりカットがし易く髪も傷め難い。マニュアル化されたヘアスタイルがカット理論で展開図化され、熟練度や感性の度合いに左右されにくく、手早い作業ができます。現在も理美容界カット技術の主流となっています。カット技法と髪の切り口は1〜3などがあり、毛束の質感や毛先の動きなどを左右します。
- ブラントカットは、真っ直ぐなラインをぶつ切りする(髪の切り口は円形)
- チョップカットは、毛先にシザーの刃先を縦気味に入れ毛先をギザギザに切る(髪の切り口は楕円)
- スライドカットは、毛束の根元からシザーの刃を毛先に向かって滑らすようにそぐ(髪の切り口はレザーと同じ長楕円)
ドライカット
髪が湿った状態で行うウェットカットとは逆に、髪が乾いた状態で行うフランス生まれのニューヨークドライカットなどがある。お客様の普段の髪型状態でカットをするので「髪質、毛流、髪の厚み」などが確認しやすく求めるヘアスタイルを想定でき再現性で有利。デメリットはウェットカットに比べ手間が掛かります。
質感カット
- ブラントカット(レイヤーカット含む)だけでは、重い髪型が解消できない場合に使用するカット技法。
- セニングシザー(削ぎハサミ)で重い毛束を削いで減らします。
- ストロークカットで重い毛束の表裏左右からシザーを振るように削ぎます。
- ディスコネクションカットとは、つながりのないカット方法(2ブロックなど)で、不要な毛束を短くしてその上の長い毛束をかぶせます。
- スライドカットで毛束の重い部分の根元から毛先に向かって、シザー&レザーの刃を滑らすように削ぎます。
石倉カット
1995年の創業当時は、難髪対応のブラントカットを目指していましたが業界カット技術の限界を悟り数年後、くせ毛などに難髪最適化するカット技術開発のため方向転換を決心。20年積み上げたブラントカット技術を全て捨て、客数売上減少は覚悟でブレない証のため技術メニューから縮毛矯正と仕上げのセットを削除しました。試行錯誤20年以上の実践で難髪最適化カット「石倉カット」を開発しました。